石職人
小野石材
小野石材
法多山尊永寺
愛染堂



小野石材店の石へのこだわり: 愛染堂に用いられた石材の選定と加工
私は先代住職の時代からのお付合いでして、約半世紀に渡り石工事を中心に尊永寺の歴史を見てきました。そんな中でも今回の工事は歴史に残る内容になる。と思いました。
それは開創1300 年に向けて境内整備し、その一環で八角堂を新造するという事でした。飛鳥工務店の提案内容で、[法隆寺夢殿を彷彿させる]という事で、棟梁が持参した1974年発行の本を見た時、私の中ですぐさまイメージが湧きました。
・二重基壇については時が経つほど良い味の出るようビシャン仕上げの錆御影石
・下山道からの導き通路は、お堂との違いを強調する為に白御影石
・お堂内部は尊永寺本堂の重厚感漂う磨仕上げの黒御影石

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小野石材店の石へのこだわり: 愛染堂に用いられた石材の選定と加工
・二重基壇については時が経つほど良い味の出るようビシャン仕上げの錆御影石
・下山道からの導き通路は、お堂との違いを強調する為に白御影石
・お堂内部は尊永寺本堂の重厚感漂う磨仕上げの黒御影石

小野石材店の石へのこだわり: 愛染堂に用いられた石材の選定と加工
私は先代住職の時代からのお付合いでして、約半世紀に渡り石工事を中心に尊永寺の歴史を見てきました。そんな中でも今回の工事は歴史に残る内容になる。と思いました。
それは開創1300 年に向けて境内整備し、その一環で八角堂を新造するという事でした。飛鳥工務店の提案内容で、[法隆寺夢殿を彷彿させる]という事で、棟梁が持参した1974年発行の本を見た時、私の中ですぐさまイメージが湧きました。
・二重基壇については時が経つほど良い味の出るようビシャン仕上げの錆御影石
・下山道からの導き通路は、お堂との違いを強調する為に白御影石
・お堂内部は尊永寺本堂の重厚感漂う磨仕上げの黒御影石

上記の3項目を住職に伝えたところ、「それで決まりだね」の一言でした。そして石工事を計画していく中で、八角堂ならではの難所が見えてきました。正八角基壇を造り上げる為には、設計面では図面での割り出し、素材面では切り出し寸法と角度の精度がまずは必要。なおかつ施工面では小さなズレが重なると角度が合わなくなり、進めなることが困難になるという事でした。実際の工事ではシビアな墨出しと敷き施工を確認しながら、精度を保つことに苦労しました。
工事も中盤に差し掛かったころ、住職から灯篭の話が出ました。そして私は、お堂外部の真正面にスッと佇み目を引く錆御影の八角灯篭が頭に浮かび、石材経験の感性を元に、細部の角度、柱の太さや長さ、特に全体のバランスを拘り設計しました。完成に至るまであらゆる職人が多岐にわたり各場面で腕を振るったことで、今日、記念事業に相応しい愛染堂と境内整備が完了しました。
歴史的事業に携われた事を大変喜ばしく思うと共に、今後の発展を願っています。
株式会社小野石材 依田千利世
